資料作成の極意 ~概要~

はじめに

大学生時代に、NPOのボランティアスタッフ・非常勤職員として、資料作成等に従事するようになってから早7年が経って、関係者の皆様から「資料が綺麗で分かりやすい」と言われることが増えてきました。

巷では「綺麗なレイアウトや見せ方」に関する本も多く出版されています。勿論そのようなテクニックや知識も大事だと思う一方で、根本的なストーリーが整っていないと、結局「綺麗なだけ」の資料に終始してしまうことを感じています。

そこで、普段自分がどのようなプロセスや考え方をもって、資料整理を行っているかをメタ的に整理することが、一連の本投稿の目的です。

資料作成のプロセス

以下6つが普段自分が行っているプロセスです。このようにきちんと書くと、多いように感じますが、各プロセスにかける時間は、資料の位置づけや利用使途によって様々です。ただ、よほどの分量がなければ、1時間程度の打合せ資料の作成にかける時間は2~3時間程度だと思います。

① 現状理解、課題の整理

まず、「今どのような状況に置かれていて、どのような問題が発生しているか」を明確にします。複数の事項が存在しており、状況が複雑に入り組んでいる場合は、相関関係を考えることで、真に検討すべき事項を定めます。

② 検討アプローチの決定(資料の位置づけ決定含む)

真に検討すべき事項が決定したら、当該事項をどのように解決するかを決めます。例えば、「関係者全員を集めた対面の打合せを3日後に設定して、打合せの場で決めてしまおう」といった具合です。

大きなプロジェクトである場合等は、検討のステップが不明瞭であることが多いので、そういったケースではWBSを作成する等で、「次に何をすべきか」を明確にします。

③ 初期仮説の立案

「次に何をすべきか」が明確になるということは、次回の打合せ等のゴールが定まることと同義です。打合せのゴールが定まると、どのような資料を準備し、「当該資料上で何を語る必要があるか」が明確になると思います。

「さぁ資料作成だ」と思う前に、自分の中で「どういった論理で、どのような結論を導くか」を明確にする必要があります。これを初期仮説と呼んでいます。(資料のストーリー案にも類似していますが、便宜的にこのように呼ぶことにします。)

初期仮説を設定することで、追加で必要な情報が何かが明確になります。

④ 必要情報のリサーチ、関連情報のインプット

追加で必要な情報が定義されれば、書籍やインターネット等を用いて、とにかく情報を集めます。クライアントしか知りえない機密情報が必要な場合は、事前に許可を取った上で、提供依頼することになります。

⑤ 骨子、ストーリーの策定

必要なピースが揃った段階で、初期仮説が論理的に成り立っているかを検証するとともに、資料全体のストーリーを再整理します。

PPTで資料を作成する場合には、「1スライド1メッセージ」を原則として、ページ数を決めます。

⑥ 資料作成イメージの整理、作成

PPTの場合は特にですが、「各ページで何を語りたいのか」を踏まえて、語りたい内容が伝わるような中身の見せ方を検討します。ここは資料作成が綺麗な身近にいる人の資料を「パクる」ことが手っ取り早いです。

資料の作成イメージが固まったら、ようやくPCを立ち上げて資料作成を行います。ある程度、イメージを整理しておけば、作成している途中で「ここが1ページに入らない、どうしよう!」といったこともなくなります。

終わりに

本稿では、資料作成のプロセス概要を整理しました。次稿からは各ステップのイメージを醸成できるよう、「新年会の企画」を例に詳細を整理できればと思っています。

関連記事

各論の記事は以下の通り。

  • ①現状理解、課題整理:こちら
  • ②検討アプローチ決定、③初期仮説の立案:こちら
  • ④必要情報のリサーチ、関連情報のインプット、⑤骨子、ストーリーの策定:こちら
  • ⑥資料作成イメージの整理、作成:こちら