資料作成の極意 ~①現状理解、課題整理

はじめに

資料作成のプロセス概要について、こちらの記事にて整理しました。本稿からは各プロセスの詳細手順について、新年会の企画をもとに概況します。

ケーススタディ

経緯

あなたは、「新年会の企画が難航しているから、協力してほしい」と会社の上司から依頼されました。
併せて、「すでに同僚が企画に着手しているはずだから、上手く協力して是非有意義なものにしてほしい」とのことです。

現状理解

このような場合、まずあなたは同僚から検討状況をヒアリングするはずです。
予算や開催時間等、検討の前提になるような条件、制約事項がないのかも気になると思います。ヒアリングしたところ、以下の通りでした。

【ヒアリング結果】

  • 開催日時は都合上、2020年1/17(金)15:00~19:00に決定済。時間内で何を実施しても問題ない。
  • 予算は1人当たり6,000円程度を上限とすることは決定済。
  • どこで新年会を実施するのか、何を実施するのか未定。

※ 実際のケースでは、このように箇条書きで現状を洗い出すことから実施することが多いはずです。
その際には、常に「思考の発散・収束」を意識するとともに、ブレインストーミング等、思考を促進・整理する方法論を用いると便利です。

課題整理

上記を踏まえて、障壁となっている課題(決めないといけない論点)は、以下だとあなたは理解しました。

【整理結果】

  1. 食事以外にコンテンツを盛り込むか否かが決まっていない。
  2. 食事する店をどこにするかが決まっていない。
  3. (1でコンテンツを盛り込む場合)コンテンツとして何をするかが決まっていない。

ここから、どれを一番最初に解決すべきか(優先順位)を考えることになります。
あなたは、大人数の予約は早めに決めないと埋まってしまう可能性があること(緊急度)、及び店での費用が決まらないとコンテンツにかけられる費用も変わること(重要度)から、2が最重要であると定義しました。

ケーススタディを踏まえた要諦

上記ケーススタディを踏まえて、①現状理解、課題整理フェーズにおける要諦は以下の通りです。

  • 思考する際には、常に「発散・収束」を意識すること。
  • 現状理解においては、可能な限り網羅的に状況を把握する必要があることから、「発散」を行うのに有効な思考法を用いること。
  • 課題整理においては、事象に対する依存関係や対応までのリードタイム等、「緊急度」及び「重要度」の観点から、最重要な課題を設定すること。

思考法については、かなり奥深い領域である為、別で整理するかもしれませんが、。

終わりに

本稿では、資料作成に係る最初のプロセスである現状理解と課題の整理に関して、まとめました。

資料イメージ等を考える前に、何のためにどのようなことを検討する必要があるのかをマクロな視点で考えることで、迷子になることなく後続の検討を進めることができます。