資料作成の極意 ~⑥資料作成イメージの整理、作成

はじめに

資料作成のプロセス概要について、こちらの記事にて整理しました。本稿からは各プロセスの詳細手順について、新年会の企画をもとに概況します。

ケーススタディ

⑥資料作成イメージの整理、作成

前工程までで、資料のストーリー自体は確定しているはずです。ケーススタディ上のストーリーは以下の通り。

このまま資料化しても正直内容としてはいいと思います。ですので、どこまでしっかりと作る必要があるかは、活用用途や位置づけ次第かなと思います。

社内調整や知人への提示程度であれば、そこまで作り込むより、クイックに作成する方が全体最適化を図れる一方で、クライアントの役員向けであれば、より効果的な伝え方を検討する必要があります。

これまでは、ストーリーベースに要諦を整理する構成としていましたが、本稿では、見せ方を検討する上で、留意すべき観点をこれから整理します。

資料作成上で留意すべき観点

大きく4つの観点で整理しますが、共通のキーワードは1つで、「資料全体の統一感」です。

1) メッセージを効果的に伝えるボディレイアウト

PowerPointでの資料作成を前提とした場合、メッセージラインを効果的に伝えられるボディを考えることが一番重要です。

表形式、ポンチ絵、参考の画像キャプチャの貼り付け等、ボディ要素は一定のパターンが存在すると思います。そのため、過去資料や自分が綺麗だと思う資料を沢山見て、頭に入れておき、どのような示し方が一番効果的かを考えましょう。

あくまで前工程までに作った内容そのものが、作ろうとしている資料の価値です。そのため個人的に、「パクれるところはパクって」しまうことがいいと思います。

2) 色合いの統一

強調する色は赤、見出しは緑といったように、使用する色に意味合いを持たせると、資料を見た人間の理解を促進します。

類似性がある色は、関連している内容に使用することも大切です。例えば、段落レベルには濃い緑、項目レベルには薄い緑といった具合です。

ただし、あまりに沢山の色を使ってもよくないと思っており、本文を記載する黒を除いて、2・3種類が限度かなと思っています

3) 余白(行間・段落前後・オブジェクト間)の統一

資料上の余白も一定にすることが重要です。

余白は視覚的に認識しやすいので、 資料を見た人間 が「あっ、これだけ空いたから段落が変わるな」等、予測しながら文書を読むことができます。

4) フォントの統一

スペース的にどうしても入らない場合を除いて、意味合い毎にフォントは統一しておくことも大切です。基本的に他と同じ理由で、見る人間が予測しやすくするためです。

終わりに

全5回の投稿の中で、資料作成に関して整理してきました。(思った以上に長々とすいません。)

恐らく似たようなビジネス書は沢山あると思いますし、少し探せばレイアウトや色合いに関する専門書も沢山あります。

その中でも今回整理しようと思った理由は、「そういった枝葉末節なテクニック論に終始せず、自分なりに効果的なプロセスを考えてほしい」と思ったためです。活用イメージや目的の明確でない資料は、いくら綺麗だろうと意味がありません。前段で目的等を明確にし、ストーリーを熟考することが大切です。

是非、様々な媒体でインプットしたら、自らで実践してもらいたいなと思います。資料作成等でお困りごと等あれば、問合せフォームより、是非教えてください!