重要な仕事を任されないと悩む若手に向けて

はじめに

社会人3年を終えて、転職する人も周りに出てきました。加えて、自分より後に入社してくる後輩も多くなってきました。その中で、「重要な仕事を任される機会がない」という話をちらほら聞くようになったので、個人的な考えを整理できればと思います。

結論

個人的には、「今与えられている仕事環境で期待値以上のバリューを出す」ことしかないかなと思っています。

ここから、そのように考える根拠を整理できればと思います。

結論までの考え方

前提事項

中小企業庁からのデータをもとにすると、2016年時点で企業数は800万件を超えています。そのため、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる大変劣悪な環境が実在することも事実であると認識しています。

本稿では、労働基準法をもとにした「一般的な労働環境で働く新卒社員」を前提に考えることとします。誤解ないように補足すると、

自分の心身を壊すほどであれば、壊してしまう前に早々に逃げることが良いと強く思っています。

現在大変な環境にいる方は、自らのことを大切にする余裕ができた後に、考えるきっかけとなれば幸いです。

会社側からの見え方を想像する

自分もまだ人材を採用する側ではないので恐縮ですが、例えば新卒で始めて入社した会社が、仕事を振る側として考えることを想像してみます。

あなたがどの程度の仕事をこなすことができるのか、何が得意で何を苦手としているのか、どのようなキャリアを歩みたいのか、何も分からないはずです。勿論、会社として従業員のキャリアを理解する仕組みを作ることは必要だと思いますが、少しマクロな視点で考えると、どこまで仕事をこなせるか分からない人に、責任の大きな仕事を任せることは気が引けますよね。

あなた自身で、「自分はここまで出来るのだ」とアピールしていくことが必要です。

極端な話、毎日に定時より遅くきているのに、求められた仕事を高いクオリティで定時より前までに完了させ、終わったので帰りますが何か?みたいな新卒がいたとしたら、「もうちょい負荷かけてみるか」と周囲が思うのではないかということです。

雑用のような業務は悪なのか

本稿を読んでいる人の中には、会議への日程調整や内部メモの作成等、入ったばかりはそのような業務ばかりでうんざり、という方もいるかもしれない。

勿論、何の生産性もない業務は会社としてなくすことが効率的だと思う一方で、そのような業務をこなしていく中で知らない間に理解が深まっていた、という経験を持つ人も多いのではないだろうか。

レイヴとウェンガーによって提唱された考えとして、「状況に埋め込まれた教育(正統的周辺参加)」というものがある。教育というと、学校教育が第一に頭に浮かぶかもしれないが、当該考え方において「学習とは、社会的実践の統合的かつそれと不可分の側面である」としている。

専門ではないので、詳しい説明を本稿で行うことはしないですが、アカデミックな知見からも「周辺から参加していくことで本質的な部分へ迫る」ことについて、考察がなされていることは、知っていても良いかなと思います。

終わりに

重ねてになりますが、企業の体質等、様々な外的要因から自分の心身をすり減らせている人も多いと思います。

本稿は、目の前の仕事に対して前向きに取り組んでいきましょうということを伝えたいのであって、忍耐を強制するものではありません。

無理をしすぎると治すことが本当に大変だと思うので、決して無理せず、日々を前向きに生きられる一助となれば幸いです。